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退院支援の実務
退院先一覧【根拠法つき】
退院支援計画書の項目に対応した種別カタログ
この記事の使い方
- 退院支援計画書(様式)の「⑦ 予想される退院先」の項目に対応した種別カタログです
- 制度区分(医療保険/介護保険/住まい系/その他の社会資源)×根拠法で整理してあります
- 新人・異動してきた方の学習用、カンファレンス前の確認用にどうぞ。調整の手法は転院調整の実際を参照
全体マップ〜まず「どの制度で入るのか」で分ける
退院先の選択肢は数が多く見えますが、「どの制度のお金と仕組みで入るのか」で分けると4グループに整理できます。手続きの相手・費用の仕組み・在所期間の考え方はこの区分で決まります。
① 医療保険で入る「病院・病棟」 …… 転院(診療情報提供書ベース)
② 介護保険で入る「施設」 …… 入所(要介護認定が前提)
③ 住まい系(契約で入居) …… 老人福祉法・高齢者住まい法
④ その他の社会資源 …… 措置・市町村事業・公営住宅など
① 医療保険で入る「病院・病棟」
| 退院先 | 根拠・制度 | 対象・目的 | 実務メモ |
|---|---|---|---|
| 回復期リハビリテーション病棟 | 医療保険(回復期リハ病棟入院料) | 脳血管疾患・大腿骨骨折等の発症後に集中的リハビリ | 対象疾患と発症からの入棟期限あり。疾患により最長180日など |
| 地域包括ケア病棟 | 医療保険(地域包括ケア病棟入院料) | 急性期後の受け入れ・在宅復帰支援・レスパイト等 | 最長60日・在宅復帰が前提(実務記事) |
| 療養型病院(医療療養病棟) | 医療保険(療養病棟入院料) | 医療区分に応じた長期の医療管理 | 医療区分・ADL区分の確認が受け入れ判断の中心 |
| 緩和ケア病棟(ホスピス) | 医療保険(緩和ケア病棟入院料) | がん等の症状緩和を重視する時期 | 面談・登録制の施設が多い。早めの情報提供が鍵 |
| 精神科病院 | 医療保険(精神病棟入院基本料等) | 精神疾患の治療・療養 | 任意・医療保護等の入院形態の確認を(精神保健福祉法) |
② 介護保険で入る「施設」
| 入所先 | 根拠法 | 対象 | 実務メモ |
|---|---|---|---|
| 介護老人保健施設(老健) | 介護保険法 | 要介護1以上 | 在宅復帰目的・原則3〜6ヶ月。医療・リハ体制あり |
| 特別養護老人ホーム(特養) =介護老人福祉施設 |
介護保険法・老人福祉法 | 原則要介護3以上(特例入所あり) | 待機前提で入院中から申込み。医療対応は健康管理が中心 |
| 介護医療院 | 介護保険法 | 要介護1以上 | 長期の医療+生活。喀痰吸引・経管栄養等の日常的医療に対応 |
| グループホーム (認知症対応型共同生活介護) |
介護保険法(地域密着型) | 要支援2以上+認知症の診断 | 原則同一市区町村の住民。1ユニット5〜9人(複数ユニットの施設あり) |
③ 住まい系(契約で入居)
| 住まい | 根拠法 | 介護の提供 | 実務メモ |
|---|---|---|---|
| 介護付き有料老人ホーム | 老人福祉法+介護保険法(特定施設入居者生活介護の指定) | 内付け(施設職員が提供) | 介護度が上がっても住み続けやすい。費用は施設差大 |
| 住宅型有料老人ホーム | 老人福祉法 | 外付け(在宅サービスを個別契約) | 在宅扱い。訪問看護・通所リハ等の外部利用で医療・リハに対応可 |
| サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) | 高齢者住まい法 | 外付け(安否確認・生活相談+在宅サービス) | 賃貸住宅。重度化時の住み替え可能性を入居前に確認 |
④ その他の社会資源〜見落とされがちな選択肢
介護保険の枠外にも、経済的・環境的な事情があるケースの受け皿になる社会資源があります。「介護度は軽いが自宅に帰せない」ケースで特に効きます。
| 資源 | 根拠・制度 | 対象・特徴 | 実務メモ |
|---|---|---|---|
| ケアハウス(軽費老人ホーム) | 老人福祉法(軽費老人ホーム) | 60歳以上・自炊が困難等。低額で食事つきの住まい | 所得に応じた費用。特定施設の指定を受けた「介護型」もある |
| 養護老人ホーム | 老人福祉法(措置) | 65歳以上で、環境上・経済的理由により在宅生活が困難な方 | 契約ではなく市町村の措置。申込み窓口は市町村。介護施設ではない点に注意 |
| 生活支援ハウス (高齢者生活福祉センター) |
市町村事業 | 独居・高齢世帯等で自立生活に不安のある方の住まい+生活援助 | 実施の有無・名称・要件は自治体による。市町村の高齢福祉担当に確認 |
| 公営住宅(市営・県営住宅) | 公営住宅法 | 低所得世帯向けの賃貸住宅。高齢者の優先入居枠がある自治体も | 「住まいの確保」自体が課題のケースで。募集時期・抽選の確認を |
| シルバーハウジング | 公営住宅等+生活援助員(LSA)派遣 | バリアフリーの公営住宅に生活援助員による見守り・相談がつく | 供給数が限られる。地域の有無は市町村・住宅供給公社に確認 |
| 障害者支援施設 | 障害者総合支援法 | 障害のある方の施設入所支援 | 65歳未満や第2号被保険者のケースで。相談支援専門員・基幹相談支援センターと連携 |
⚠️ ④の資源は「制度の言葉」が介護保険と違います。養護老人ホームは契約ではなく措置(市町村決定)、生活支援ハウスは市町村事業で地域差が大きく、公営住宅は福祉ではなく住宅施策です。窓口も要件も別物なので、早めに市町村の担当課へ確認するのが鉄則です。
使い方のヒント
💡 カンファレンス前に:本人の「介護度・医療的ケア・認知症・経済状況・住まいの状況」を並べて、①〜④のどのグループが土俵になるかを絞る
💡 「介護度が軽い×生活が成り立たない」ケース:②③で行き詰まったら④を思い出す。ケアハウス・養護・生活支援ハウスが突破口になることがある
💡 ご家族への説明には:患者・家族向けの施設記事をそのまま渡せます(2つの名前・費用感・FAQつき)
💡 「介護度が軽い×生活が成り立たない」ケース:②③で行き詰まったら④を思い出す。ケアハウス・養護・生活支援ハウスが突破口になることがある
💡 ご家族への説明には:患者・家族向けの施設記事をそのまま渡せます(2つの名前・費用感・FAQつき)
⚖️ 根拠法令
- 介護保険法(介護老人保健施設・介護老人福祉施設・介護医療院・地域密着型サービス・特定施設入居者生活介護)
- 老人福祉法(特別養護老人ホーム・有料老人ホーム・軽費老人ホーム・養護老人ホーム)
- 高齢者の居住の安定確保に関する法律(サービス付き高齢者向け住宅・シルバーハウジング関連)
- 公営住宅法(市営・県営住宅)/障害者総合支援法(障害者支援施設)
- ※介護療養型医療施設は令和6年3月末で廃止(介護保険の入所施設は特養・老健・介護医療院の3類型)
※本記事は2026年7月時点の一般的な情報です。各制度の要件・入院料等の詳細は最新の告示・通知・自治体の定めをご確認ください。地域により資源の有無・名称・運用が異なります。