患者・家族向け 退院準備

🏠 施設への退院
特養・老健・グループホーム・サ高住の違いと選び方

📅 2026年5月8日 ・ ⏱ 約8分

退院後に「自宅ではなく施設へ」という選択をする場合、どんな施設があるのか、何が違うのか、費用はどのくらいかかるのかがわからず、不安になる方はたくさんいます。

施設にはいくつかの種類があり、本人の状態・介護の必要度・認知症の有無・費用・在宅復帰の希望によって向いている施設が変わってきます。この記事では、主な施設の特徴をわかりやすく整理します。

💡 施設選びは「あわてなくていい」場合も多い

退院先として施設を検討するとき、「すぐに決めなければ」と焦ることがあります。ただし、施設の種類によっては入所まで時間がかかることもあります。まずは担当のMSW(医療ソーシャルワーカー)や退院支援担当者に相談しながら、焦らず整理していきましょう。

主な施設の種類

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介護老人保健施設(老健)

介護保険施設 / リハビリ・在宅復帰を目的とした施設
要介護1〜5 リハビリ重視 在宅復帰を目指す 医師が常駐

病院と自宅の「中間施設」と呼ばれます。退院後すぐに自宅に戻るのが不安な方や、もう少しリハビリを続けたい方に向いています。医師・看護師・リハビリスタッフが常駐しており、医療ケアも受けられます。

入所の条件要介護1以上の認定が必要
費用の目安月額8〜15万円程度(所得により異なる)
在所期間在宅復帰が目的のため、長期入所は想定されていない。状況により異なる
特徴医療処置が必要な方でも対応しやすい。リハビリを継続しながら在宅復帰を目指せる
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特別養護老人ホーム(特養)

介護保険施設 / 長期入所・生活の場
原則 要介護3以上 待機者が多い場合あり 終の棲家になることも

介護が必要な高齢者が長期にわたって生活する施設です。比較的費用が抑えられており、低所得の方への費用軽減制度もあります。一方で、希望者が多く入所までに時間がかかる場合があります。

入所の条件原則として要介護3以上(特例で要介護1・2の方が入所できる場合もある)
費用の目安月額6〜15万円程度(所得・部屋タイプにより異なる)
在所期間長期(終身利用が可能な場合が多い)
特徴公的施設のため比較的費用が抑えられる。入所申し込みから実際の入所まで時間がかかることがある
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介護医療院

介護保険施設 / 医療と介護の複合型・長期療養
要介護1〜5 医療依存度が高い方 長期療養

医療処置が継続的に必要で、かつ長期間の生活の場として利用する施設です。たん吸引・経管栄養・気管切開などの医療行為が必要な方でも対応できます。

入所の条件要介護1以上・長期療養が必要な方
費用の目安月額8〜16万円程度(医療処置の内容によって異なる)
特徴医療と生活の両方を同じ場所で受けられる。たん吸引・経管栄養などの処置が継続的に必要な方に向いている
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グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

地域密着型サービス / 認知症の方を対象
要支援2以上 認知症の診断が必要 少人数・家庭的な環境 地域密着型(住所要件あり)

認知症と診断された方が、少人数(9人以下)で共同生活を送る施設です。家庭的な雰囲気の中で、料理・洗濯・掃除などを職員と一緒に行いながら生活します。地域密着型のため、原則としてその市区町村に住民票がある方が対象です。

入所の条件認知症の診断があること・要支援2以上・住民票が同じ市区町村にあること
費用の目安月額14〜20万円程度(施設により異なる)
特徴少人数で落ち着いた環境。認知症の進行がゆるやかになる例もある。住所地の制限があるため注意が必要
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サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

賃貸住宅 / 見守り・生活相談サービス付き
要件なし(自立〜要介護まで) 自分のペースで生活 介護サービスは別途手配

介護施設ではなく「賃貸住宅」の一種です。安否確認と生活相談のサービスがついており、介護サービスは外部の事業者を別途利用する形になります。比較的自立度が高い方や、施設への入居に抵抗がある方に選ばれることがあります。

入居の条件60歳以上(または要介護・要支援認定を受けている方)
費用の目安月額10〜25万円程度(家賃+サービス費。介護サービスは別途)
特徴自分の部屋で自分のペースで生活できる。介護が重くなった場合には別の施設への移動が必要になることもある
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有料老人ホーム

介護付き・住宅型の2種類がある
自立〜要介護(施設による) 費用の幅が広い 施設によってサービスが多様

民間事業者が運営する施設で、「介護付き」と「住宅型」の2種類があります。施設ごとにサービス内容・費用・雰囲気が大きく異なるため、見学や比較が重要です。

介護付き介護サービスが施設内で提供される。要介護度が上がっても住み続けやすい
住宅型介護サービスは外部から手配。サ高住に近い形態
費用の目安月額15〜30万円以上(施設の種類・立地により大きく異なる)

施設の特徴を一覧で比べる

  老健 特養 介護医療院 グループホーム サ高住
要介護度 1以上 原則3以上 1以上 要支援2以上 問わない
認知症対応 (専門)
医療処置
リハビリ
長期生活
費用の目安 8〜15万円 6〜15万円 8〜16万円 14〜20万円 10〜25万円
待機の可能性 比較的少ない ある場合が多い 施設による 施設による 比較的少ない

※費用は目安です。所得や部屋タイプ・施設の種類によって大きく異なります。◎=対応しやすい、○=対応可、△=施設による、✕=基本的に対応しない

どの施設が合っているか考えるヒント

🔹 退院後もリハビリを続けて、できれば自宅に戻りたい

老健(介護老人保健施設)が向いています

🔹 自宅への帰宅が難しく、長く安心して生活できる場所を探したい

特養(特別養護老人ホーム)を検討。ただし待機が生じる場合があります

🔹 たん吸引・経管栄養など、医療処置が今後も必要

介護医療院または老健が対応しやすいです

🔹 認知症があり、落ち着いた少人数の環境で暮らしたい

グループホームが向いています(住民票の住所地に注意)

🔹 施設というより「自分の住まい」として、自立した生活を続けたい

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)有料老人ホームを検討

費用が心配なときの制度

介護保険施設(老健・特養・介護医療院)では、所得が低い方を対象に食費・居住費を軽減する「補足給付(特定入所者介護サービス費)」という制度があります。市区町村の窓口やMSW(医療ソーシャルワーカー)に相談してみましょう。

⚠️ 施設への入居は「介護保険証」が必要です

老健・特養・介護医療院・グループホームは介護保険サービスのため、要介護認定を受けていることが前提です。まだ認定を受けていない場合は、入院中でも申請できます。担当の退院支援スタッフやMSWに相談してください。

📌 この記事のまとめ

  • 施設にはいくつかの種類があり、本人の状態・介護度・認知症の有無・医療処置の必要性・費用によって向いている施設が違う
  • 老健はリハビリ・在宅復帰を目指す方に。特養は長期生活の場として(待機あり)
  • 介護医療院は医療処置が継続的に必要な方に。グループホームは認知症の方に
  • サ高住・有料老人ホームは比較的自立度が高い方や、自分のペースで生活したい方に
  • 費用が心配な場合は補足給付などの制度もある。MSWへの相談を
  • 迷ったときは、入院中のMSW・退院支援担当者に相談するのが一番の近道

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📎 参考文献・公式情報
厚生労働省「介護医療院について」
https://www.mhlw.go.jp/kaigoiryouin/about/