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専門職向け 退院支援の実務 🖨️ A4印刷対応

退院前訪問(家屋調査)の実際
準備・実施・記録の書き方【チェックリスト付き】

この記事でわかること
  • 退院前訪問の目的と診療報酬上の位置づけ
  • 誰が・いつ・どう依頼するか
  • 訪問前に準備しておくこと
  • 当日の確認ポイント(住環境・動線・危険箇所)
  • 訪問後の記録の書き方と活用の仕方

退院前訪問とは何か・なぜ行うのか

退院前訪問(家屋調査)とは、退院前に作業療法士・理学療法士・看護師・MSWなどが 患者の自宅を訪問し、実際の生活環境を確認して安全な在宅復帰を準備する取り組みです。

病棟でのADL評価と実際の自宅環境は異なります。 「病棟では歩けていたが、自宅の廊下が狭くて車いすが入らない」 「和式トイレで立ち上がれない」——こうしたギャップを退院前に発見し、 住宅改修・福祉用具の手配・生活動線の工夫につなげることが目的です。

💴 診療報酬上の位置づけ
  • 退院前訪問指導料(B007):入院中の患者の退院後の在宅療養を指導した場合に算定。580点。
  • 退院時共同指導料との組み合わせも可能。
  • 対象:在宅復帰予定の患者で、退院後の療養生活に指導が必要と認められる方。

誰が・いつ・どう依頼するか

項目内容
実施者 作業療法士(OT)が中心。理学療法士(PT)・看護師・MSWが同行することも多い。退院先がケアマネジャー管轄の場合はケアマネの同行も有効。
実施時期 退院の2〜4週間前が理想。退院日が決まったら早めに調整を開始する。
依頼の流れ 退院支援看護師・MSWが主治医・リハビリスタッフに提案 → 患者・家族に説明・同意取得 → 日程調整(患者・家族・リハスタッフ・ケアマネ等の都合を合わせる)
費用 患者負担は保険の自己負担割合に応じた額(例:3割負担で約174円)。事前に説明しておく。
⚠️ 訪問前に必ず確認すること
  • 患者本人・家族の同意を取得しているか
  • 主治医の指示(または了承)があるか
  • 家族が在宅であることを確認しているか(鍵の手配)
  • 天候・患者の体調を確認し、必要なら日程変更を検討する

訪問前に準備しておくこと

📋 訪問前準備チェックリスト

  • 患者のADL・移動能力・使用している補装具を把握している
  • 現在の医療処置(酸素・点滴・カテーテル等)を把握している
  • 現在使用中・導入予定の福祉用具のリストを確認している
  • 住宅の間取り図(手書きでも可)を事前に家族から入手している
  • ケアマネジャーの氏名・連絡先を把握している(同行の場合は確認)
  • メジャー・カメラ(スマートフォン可)・チェックシートを持参する準備ができている
  • 住宅改修が必要な場合、施工業者への連絡タイミングを確認している

当日の確認ポイント

訪問当日は「患者が実際にその家で生活する場面」を想像しながら確認します。 「できるかできないか」だけでなく、「どこで・何が・なぜ危ないか」を具体的に把握します。

訪問後の記録の書き方

家屋調査の結果は診療録・退院支援記録に残し、 チーム全体で共有します。記録には以下を含めましょう。

📝 記録文例(退院支援看護師・MSW向け)

「○月○日、OT・MSWが自宅訪問を実施。同行:ケアマネジャー〇〇氏、長女。 玄関に5cm段差あり、スロープ設置可能(幅120cm確保)。 廊下幅82cm、車いす通行可。トイレは洋式だが手すりなし。 浴室は脱衣所との段差10cmあり、浴槽またぎ高さ55cm。 居室は6畳、介護ベッド搬入可(掃き出し窓から)。 住宅改修:玄関スロープ・トイレ手すり・廊下手すりを申請予定。 福祉用具:介護ベッド・サイドレール・シャワーチェアを導入予定。 ケアマネに改修業者紹介依頼。退院目標日まで3週間。」

訪問後の動き

1
住宅改修が必要な場合
ケアマネジャーに「理由書」の作成を依頼。 市区町村への事前申請が必要なため、早急に動く。 業者の選定・見積もり・申請・工事・完成まで最短でも3〜4週間かかる。
2
福祉用具の手配
ケアマネジャーにレンタル・購入の手配を依頼。 退院日に間に合うよう搬入日を逆算して確認する。
3
退院前カンファレンスで共有
訪問結果・必要な改修・福祉用具・介護サービスをカンファレンスで全員に共有する。 家族への介護指導(移乗方法・入浴補助など)の計画を立てる。
4
退院日当日の確認
介護ベッド・福祉用具が搬入済みか、住宅改修が完了しているかを 退院日前日までに家族・ケアマネに確認する。