専門職向け
多職種連携
基幹相談支援センターとの連携
障害のある患者の退院支援における活用法
この記事でわかること
- 基幹相談支援センターの位置づけと役割
- 病院側が連携するタイミング・方法
- 相談支援専門員との情報共有のポイント
- 障害支援区分の申請を退院前に進める方法
- 困難ケースで基幹センターに頼る場面
基幹相談支援センターとは何か
基幹相談支援センターは、障害者総合支援法に基づき市区町村が設置する 「地域における相談支援の中核的な機関」です。 身体・知的・精神の三障害と難病を対象に、 総合的な相談支援・地域の相談支援体制の強化・権利擁護を担います。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 総合的・専門的な相談支援 | 複雑な課題を持つケースへの対応。地域の相談支援事業所では対応困難なケースの後方支援。 |
| 地域の相談支援体制の強化 | 相談支援専門員へのスーパーバイズ・困難ケースの協議・人材育成。 |
| 地域移行・地域定着支援 | 精神科病院・施設からの地域移行支援。退院後の地域定着支援。 |
| 権利擁護・成年後見 | 虐待防止・成年後見制度の活用促進・意思決定支援。 |
💡 相談支援事業所(一般)との違い
地域にある一般の「相談支援事業所」は個別のサービス等利用計画を作成します。 基幹相談支援センターはその上位に位置し、 複雑・困難なケースへの後方支援や地域全体のコーディネートを担います。 「どこに相談すればよいかわからない」場合は、まず基幹センターへ。
地域にある一般の「相談支援事業所」は個別のサービス等利用計画を作成します。 基幹相談支援センターはその上位に位置し、 複雑・困難なケースへの後方支援や地域全体のコーディネートを担います。 「どこに相談すればよいかわからない」場合は、まず基幹センターへ。
病院側が連携するタイミング
障害のある患者の退院支援では、以下のタイミングで基幹相談支援センターや 相談支援専門員との連携を検討しましょう。
①
入院時スクリーニングで障害・難病が判明したとき
身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の有無を確認。 すでに相談支援専門員がついている場合は早期に連絡を取り、 入院情報を共有します(入院時情報連携加算の活用も検討)。
身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の有無を確認。 すでに相談支援専門員がついている場合は早期に連絡を取り、 入院情報を共有します(入院時情報連携加算の活用も検討)。
②
退院支援計画を立てる段階(入院後7日以内)
在宅復帰に障害福祉サービスが必要と判断したら、 基幹相談支援センターまたは相談支援事業所に連絡し、 担当の相談支援専門員を早期に決めます。 サービス等利用計画の作成には時間がかかるため、早めが原則です。
在宅復帰に障害福祉サービスが必要と判断したら、 基幹相談支援センターまたは相談支援事業所に連絡し、 担当の相談支援専門員を早期に決めます。 サービス等利用計画の作成には時間がかかるため、早めが原則です。
③
障害支援区分の新規申請・区分変更が必要なとき
入院中に障害支援区分の申請・変更を進めることができます。 市区町村に申請し、訪問調査・医師意見書の手配を開始します。 認定には時間がかかるため、退院日から逆算して早期に動き出すことが重要です。
入院中に障害支援区分の申請・変更を進めることができます。 市区町村に申請し、訪問調査・医師意見書の手配を開始します。 認定には時間がかかるため、退院日から逆算して早期に動き出すことが重要です。
④
精神科病院からの地域移行を支援するとき
長期入院患者の地域移行では、基幹センターの「地域移行支援」機能を活用します。 住まいの確保・障害福祉サービスの導入・生活保護等の手続きを 入院中から並行して進めます。
長期入院患者の地域移行では、基幹センターの「地域移行支援」機能を活用します。 住まいの確保・障害福祉サービスの導入・生活保護等の手続きを 入院中から並行して進めます。
⑤
退院後に虐待・権利侵害のリスクがあるとき
家族による虐待・搾取のリスクがある場合、基幹センターの権利擁護機能を活用します。 成年後見制度の申立て・市区町村への通報・多機関での支援調整を依頼できます。
家族による虐待・搾取のリスクがある場合、基幹センターの権利擁護機能を活用します。 成年後見制度の申立て・市区町村への通報・多機関での支援調整を依頼できます。
相談支援専門員への情報提供のポイント
退院前カンファレンスや電話・書面での情報共有の際、 相談支援専門員が「すぐに動ける」情報を渡すことが重要です。
📋 相談支援専門員に伝えるべき情報
- 診断名・障害の概要・手帳の種類と等級
- 入院の経緯・今回の入院で変化したこと(ADL・医療処置等)
- 本人の希望する退院先・生活スタイル
- 家族の状況・キーパーソン・家族が担える介護の範囲
- 現在使っているサービスと、退院後に新たに必要なサービス
- 医療処置の有無(服薬管理・訪問看護の必要性)
- 住環境(バリアフリーの状況・改修の必要性)
- 経済状況(生活保護・障害年金の受給状況)
- 支援上の注意点(拒否傾向・コミュニケーションの特性等)
- 退院予定日・連絡先(病棟・MSW)
障害支援区分の申請を入院中に進める
障害支援区分の認定は、申請から認定通知まで最短でも1〜2ヶ月かかります。 退院後にサービスをスムーズに使い始めるためには、 入院中に申請を開始することが理想です。
📋 入院中に申請を進める手順
- 市区町村の障害福祉窓口(または基幹センター経由)に申請書を提出
- 市区町村から訪問調査員が派遣される(入院中の場合は病院でも調査可能)
- 主治医に「障害支援区分認定のための医師意見書」の作成を依頼
- 審査会による一次・二次判定
- 認定通知→サービス利用開始
暫定的に区分なしで使えるサービスや、 「セルフプラン」で計画を自作する方法もあります。 相談支援専門員・基幹センターと相談しながら進めましょう。
基幹センターが特に力を発揮する困難ケース
- 三障害が重複している(身体+精神、知的+精神など)
- 家族が支援を拒否・本人が支援を拒否する
- 住まいがない・住まいの確保が必要
- 経済的困窮・生活保護が必要
- 精神科病院からの長期入院後の地域移行
- 虐待・権利侵害のリスクがある
- 既存の相談支援専門員との関係が崩れている
上記のケースでは、一般の相談支援事業所だけでは対応が難しいことがあります。 遠慮せず基幹センターに「難しいケースで一緒に考えてほしい」と相談しましょう。 基幹センターはまさにそのために存在しています。
ご注意
基幹相談支援センターの設置状況・機能は市区町村によって異なります。 未設置の地域もあるため、地域の障害福祉窓口に確認してください。
基幹相談支援センターの設置状況・機能は市区町村によって異なります。 未設置の地域もあるため、地域の障害福祉窓口に確認してください。