📋 この記事について
看護・多職種協働加算の算定要件・多職種チームの役割・記録の書き方を実務目線でまとめています。
※ 点数・要件の詳細は令和8年度の告示・通知・疑義解釈および医科点数表の解釈(最新版)で必ずご確認ください。
看護・多職種協働加算の算定要件・多職種チームの役割・記録の書き方を実務目線でまとめています。
※ 点数・要件の詳細は令和8年度の告示・通知・疑義解釈および医科点数表の解釈(最新版)で必ずご確認ください。
看護・多職種協働加算とは
看護・多職種協働加算は、地域の急性期医療を担う病院において、患者の早期退院やADLの維持・向上をめざし、看護職員を含む多職種が協働して専門的な指導や診療の補助を行う体制を評価した診療報酬上の加算です。令和8年度診療報酬改定で新設されました。
💡 この加算の対象となる多職種(公式)
看護職員・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・管理栄養士・臨床検査技師の6職種が対象です。各職種が専門性を活かして病棟で直接患者に関わる体制を評価します(いずれか1職種以上との協働で算定可能)。
看護職員・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・管理栄養士・臨床検査技師の6職種が対象です。各職種が専門性を活かして病棟で直接患者に関わる体制を評価します(いずれか1職種以上との協働で算定可能)。
算定要件・施設基準
点数(1日につき)
| 区分 | 算定病棟 | 点数 |
|---|---|---|
| 看護・多職種協働加算1 | 急性期一般入院料4を算定する病棟 | 277点 |
| 看護・多職種協働加算2 | 急性期病院B一般入院料を算定する病棟 | 255点 |
施設基準
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 算定対象病棟 | 急性期一般入院料4 または 急性期病院B一般入院料を算定する病棟 |
| 多職種の配置人数 | 1日に指導・診療の補助を行う看護職員及び他の医療職種の合計が、常時、入院患者25人またはその端数を増すごとに1以上(曜日・時間帯による傾斜配置可能) |
| 対象となる職種 | 看護職員・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・管理栄養士・臨床検査技師のいずれか |
| 文書化・共有 | 多職種協働の目標・各職種が行う業務内容・情報共有の方法等を文書で整理し、配置される多職種間で共有していること |
| 看護師比率 | 入院料の看護職員最小必要数+本加算による看護職員配置数の7割以上が看護師であること |
| その他 | 重症度・医療看護必要度の指数、平均在院日数、在宅復帰率、常勤医師員数が急性期一般入院料1と同等の基準を満たすこと/医療従事者の負担軽減・処遇改善体制の整備/地方厚生局への届出 |
⚠️ 算定できる病棟は限定されています
この加算は急性期一般入院料4または急性期病院B一般入院料を算定する病棟に限定されます。それ以外の入院料を算定する病棟では算定できません。自施設の届出区分を事務部門と必ず確認してください。
この加算は急性期一般入院料4または急性期病院B一般入院料を算定する病棟に限定されます。それ以外の入院料を算定する病棟では算定できません。自施設の届出区分を事務部門と必ず確認してください。
多職種チームの役割分担
看護・多職種協働加算を適切に算定するためには、各職種が病棟で直接患者に関わり、その専門性を発揮していることが重要です。厚生労働省の資料には、各職種が行う業務の例が示されています。
| 職種 | 病棟での主な役割(公式に示された業務例) | 記録での表現例 |
|---|---|---|
| 看護職員 | 入院患者に対する看護 | 「ADL評価を実施し多職種と共有。早期離床に向けた生活目標を設定した」 |
| 理学療法士 作業療法士 言語聴覚士 |
入院生活で患者が実際に活動する場面に合わせた評価・指導・訓練室でのリハビリを生活場面で自ら行えるようになるための支援 | 「病棟でのADL場面を評価し、食事・更衣・移動の自立に向けた訓練を実施した」 |
| 管理栄養士 | 入院生活で患者が実際に食事する場面を活用した食事状況の観察・食欲や嗜好の確認・必要栄養量や摂取栄養量の評価・食事変更の提案・食形態の調整・食事に関する相談対応 | 「食事場面を直接観察。摂取量・食形態を評価し、必要栄養量に合わせた食事変更を提案した」 |
| 臨床検査技師 | 適時の検体検査等の実施・結果の確認・異常値等の報告・検査室等病棟外で行うべき検査の調整・検査の円滑な実施に資する業務 | 「血液データの異常値を確認・報告。外来での継続検査が必要な項目をチームに共有した」 |
💡 この加算における「協働」のポイント
薬剤師・医師・MSWなどもチームの重要なメンバーですが、この加算の算定対象職種は看護職員・PT・OT・ST・管理栄養士・臨床検査技師の6職種です。配置実績・業務記録が算定根拠となるため、誰が・いつ・何をしたかを日々記録することが重要です。
薬剤師・医師・MSWなどもチームの重要なメンバーですが、この加算の算定対象職種は看護職員・PT・OT・ST・管理栄養士・臨床検査技師の6職種です。配置実績・業務記録が算定根拠となるため、誰が・いつ・何をしたかを日々記録することが重要です。
記録・書類の書き方
日々の業務記録のポイント
看護・多職種協働加算の算定根拠は、対象職種が病棟で患者に直接関わった実績です。カンファレンスだけでなく、日常的な病棟業務の記録を積み上げることが大切です。
| 記載すべき内容 | NG例 | OK例 |
|---|---|---|
| 関わった職種 | 「多職種で対応した」 | 「看護師・PT・管理栄養士・臨床検査技師が参加(加算対象職種)」 |
| 患者の状態 | 「状態安定」 | 「歩行は独歩可能だが段差昇降に介助が必要。摂取量低下あり栄養状態悪化リスクあり」 |
| 問題点・目標 | 「ADL維持に向けて支援する」 | 「①歩行自立の維持 ②食事摂取量の改善 ③退院後の外来検査継続を目標とする」 |
| 担当と実施内容 | 「各自対応する」 | 「PT:病棟での歩行練習を実施。管理栄養士:食事場面を観察し食形態を変更」 |
| 次回の予定 | (記載なし) | 「明日も同様の体制で指導継続。検査技師が週次で血液データを確認・報告予定」 |
SOAP形式での記録例
-
S
患者・家族の言葉
「退院後は娘と同居予定。段差が多い家なので転倒が心配。食欲がなくて食べられない」 -
O
客観的情報
歩行自立、段差昇降は手すり使用で可。食事摂取量50%程度。栄養状態:MNA-SF 10点(低栄養リスクあり)。臨床検査技師より血液データ(Alb 2.8)の報告あり -
A
アセスメント
段差対応・転倒予防が退院後の課題。低栄養リスクあり、食形態・補助食品の見直しが必要。退院後も血液データの定期確認が必要な状態 -
P
計画
①PTが家屋調査実施(6/2予定) ②OTが食事・更衣の自立訓練を継続 ③管理栄養士が退院前に家族へ補助食品継続の説明実施 ④臨床検査技師が退院後の外来検査継続項目を主治医と調整
算定上のよくある注意点
-
①
算定できる病棟かどうかを事前に確認
この加算は急性期一般入院料4または急性期病院B一般入院料の病棟に限定。他の入院料区分では算定不可。まず自施設の届出区分を事務部門と確認する。 -
②
25対1の配置実績を毎日記録する
看護職員+対象医療職種の合計が患者25人に1人以上を常時満たしていることが要件。曜日・時間帯による傾斜配置は可能だが、配置実績の記録を日々残しておく。 -
③
多職種協働の目標・業務・情報共有方法を文書化する
施設基準では、多職種協働の目標・各職種の業務内容・情報共有の方法を文書で整理し多職種間で共有することが必須。院内の手順書や取り決め書として整備しておく。 -
④
対象職種が実際に病棟で活動している記録を残す
PT・OT・ST・管理栄養士・臨床検査技師が病棟で直接患者に関わった事実を記録に残す。名前だけ記録にあって実際に関わっていない状態はNG。 -
⑤
施設基準の届出状況を確認
算定開始前に、地方厚生局への施設基準届出が完了しているか事務部門と確認する。届出なしでの算定は返還の対象になる。
📎 参考文献・根拠資料
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要(入院Ⅰ)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001671032.pdf - 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 多職種が病棟で協働する体制の評価(看護・多職種協働加算の新設)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001671032.pdf - 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 告示・通知」
- 医科点数表の解釈(令和8年度版)
- 疑義解釈資料(随時更新)
※ 算定要件・施設基準・点数の詳細は、必ず最新の告示・通知および地方厚生局の指導内容をご確認ください。