患者・家族向け 在宅医療

透析(血液透析・腹膜透析)を使った生活
退院後の注意点と日常生活のコツ

この記事でわかること
  • 血液透析と腹膜透析の違い
  • 透析患者の食事制限・水分制限の基本
  • シャント(内シャント)の管理と注意点
  • 緊急時・体調が悪いときの対応
  • 身体障害者手帳・医療費助成と仕事の両立

血液透析と腹膜透析の違い

腎臓の機能が著しく低下した場合(慢性腎不全・末期腎不全)、 腎臓の代わりに老廃物や余分な水分を除去するのが透析療法です。 大きく分けて2つの方法があります。

血液透析(HD)腹膜透析(PD)
場所 透析クリニック・病院 自宅(主に)
頻度 週3回・1回4〜5時間 毎日(1日3〜5回の交換)
通院 週3回の通院が必須 月1〜2回の外来のみ
自由度 通院スケジュールに縛られる 生活リズムに合わせやすい
管理 医療スタッフが行う 本人・家族が手技を習得して行う

どちらが合っているかは、生活スタイル・体の状態・家族の状況によって違います。主治医と相談して決めましょう。

食事制限・水分制限について

透析患者の食事管理は、腎機能が低下した状態に合わせて行う必要があります。 「何をどれだけ食べていいか」は個人の状態・透析の種類によって異なるため、 必ず担当の管理栄養士・主治医の指導に従ってください。

⚠️ 透析患者が特に注意すべき栄養素
  • カリウム:高くなると不整脈の原因に。生野菜・果物・いも類は制限が必要な場合あり。
  • リン:高くなると骨・血管が傷む。加工食品・乳製品・魚卵などに多い。
  • 水分:腎臓が水分を排泄できないため、透析と透析の間の体重増加に上限がある(目安は中2日で体重の3〜5%以内)。
  • 塩分:水分の取りすぎにつながるため制限が必要。

シャント(内シャント)の管理

血液透析を行う方は、腕に「内シャント(動静脈瘻)」という血管の出口を作ります。 シャントは透析のための大切な命綱です。日常的な管理が必要です。

✅ シャント管理の日常チェック

  • 毎日シャント部分を触って「ザーザー」という振動(スリル)があるか確認する
  • シャントのある腕で血圧測定・採血・点滴をしない(閉塞リスク)
  • シャントのある腕に時計・アクセサリーをつけない・圧迫しない
  • 寝るときにシャントの腕を下にしない
  • スリルが弱くなった・聞こえない・腫れや痛みがある → すぐに透析クリニックに連絡

体調が悪いとき・緊急時の対応

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透析日に体調が悪い・行けない
透析を休むと老廃物・水分が体にたまり、危険な状態になることがあります。 必ず透析クリニックに連絡して指示をもらいましょう。 自己判断で休まないことが原則です。
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息苦しい・むくみがひどい・尿が出ない
水分過多のサインです。すぐに透析クリニックまたは主治医に連絡してください。 透析クリニックが休みの場合の緊急連絡先を事前に確認しておきましょう。
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シャントのスリルがなくなった
シャントが閉塞した可能性があります。 夜間・休日でも透析クリニックの緊急連絡先に連絡し、指示に従ってください。
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腹膜透析の液が白く濁っている・腹痛がある
腹膜炎の可能性があります。すぐに主治医・透析クリニックに連絡してください。 腹膜炎は早期対応が重要です。

身体障害者手帳と医療費助成

🏛️ 透析患者が使える制度
  • 身体障害者手帳(腎臓機能障害・1〜4級)
    透析が必要な方は1級に認定されることがほとんどです。 手帳を取得すると、自立支援医療(更生医療・育成医療)で透析にかかる医療費の自己負担が大幅に軽減されます。
  • 自立支援医療(更生医療)
    透析の医療費の自己負担を原則1割に軽減。収入によっては月の上限額あり。 申請先:市区町村の障害福祉窓口。
  • 高額療養費制度
    それでも高額になる場合は高額療養費も活用できます。 → 限度額適用認定証とは?

仕事・社会生活との両立

血液透析の場合、週3回・1回4〜5時間の通院が必要なため、 フルタイム勤務との両立は工夫が必要です。 多くの透析クリニックが早朝・夜間の透析を行っているため、 勤務時間との調整が可能な場合があります。

  • 腹膜透析(PD)は自宅で行えるため、比較的仕事と両立しやすい
  • 障害者雇用(障害者手帳取得後)の活用
  • 傷病手当金・障害年金の受給可否について社会保険労務士やMSWに相談
ご注意
食事制限・水分制限・透析スケジュールは個人の状態によって異なります。 必ず担当の主治医・管理栄養士の指導に従ってください。