入院前と同じ家でも、退院後は体の状態が変わっていることがあります。「退院前と同じように動けると思っていたら、思ったより動けなかった」というケースは少なくありません。帰る前に少し環境を整えるだけで、転倒リスクが大きく下がり、安心して生活できます。

特に気をつけたい場所と転倒リスク

転倒が起きやすい場所と状況:

🚿 浴室・脱衣所:濡れた床・またぎ動作・立ち座り。転倒事故が最も多い場所のひとつ。
🚽 トイレ:夜中の暗い中での移動・立ち座りの不安定さ。
🛏️ ベッド周り:起き上がり・立ち上がりの際にふらつく。
🪜 段差・敷居:室内の小さな段差につまずく。スリッパが脱げてつまずくことも。
🌙 夜間・暗い廊下:トイレに行く際に暗くて見えない。
🧦 滑りやすい床・靴下:フローリングや畳の上での転倒。

すぐにできる工夫

費用をかけずにすぐできること:

✅ 滑り止めマットをトイレ・浴室・玄関に敷く
✅ 室内は滑り止め付きの靴下またはスリッパを履く
✅ 夜間の動線に常夜灯(足元灯)を設置する
✅ よく使うものを手の届く高さに置き直す(高い棚・低い棚への無理な動作を減らす)
✅ 床のコード・じゅうたんの端など、つまずきの原因を片付ける
✅ ポータブルトイレを寝室に置く(夜間移動が心配な場合)

福祉用具のレンタル・購入

介護保険を使うと、自己負担1〜3割で福祉用具をレンタル・購入できます。

レンタルできる主な福祉用具:

🛏️ 介護用ベッド(高さ調整・背上げ機能付き)
🦽 車椅子・歩行器・松葉杖
🚿 シャワーチェア(浴室で使う椅子)
🚽 手すり(置き型・突っ張り型・工事不要タイプも)
📱 緊急通報装置・転倒感知センサー

購入の補助がある用具(特定福祉用具):
ポータブルトイレ・入浴用いす・浴室内すのこ等
💡 退院前に届けてもらえます
ケアマネジャーを通じて福祉用具業者に依頼すると、退院日までに自宅に届けてもらえます。「退院したらすぐ使いたい」という場合は、早めにケアマネジャーか担当者に伝えましょう。

住宅改修(介護保険の補助)

手すりの取り付けや段差解消など、自宅をバリアフリー化する工事に、介護保険から補助が受けられます。

住宅改修で補助される主な工事:

✅ 手すりの取り付け(廊下・トイレ・浴室・玄関等)
✅ 段差の解消(敷居・玄関・浴室等)
✅ 滑り防止・移動しやすくするための床材変更
✅ 引き戸などへの扉の取り替え
✅ 洋式トイレへの便器取り替え

補助の上限:要介護・要支援認定を受けた方は、20万円までの工事費用について自己負担1〜3割(最大18万円の補助)。
※ 事前申請が必要です。工事の前にケアマネジャーに相談してください。

退院前に専門家に見てもらえます

病院の理学療法士(PT)や作業療法士(OT)が、退院前に自宅を訪問して安全性を確認する「家屋調査・家屋訪問」を行えることがあります。

家屋調査でわかること:

🏠 どこに手すりがあると安全か
🏠 トイレ・浴室・寝室の動線で危険な箇所はどこか
🏠 どんな福祉用具が必要か
🏠 介護者がどのように介助すればよいか

「自宅の環境が心配」と思ったら、退院前に担当のリハビリスタッフや退院支援担当者に相談してみましょう。